「点眼薬(目薬)のさしかた」 
                                       川久保病院 (眼科医) 
                                 及川 拓 医師
    お薬には様々なものがあります。

  注射薬・内服薬(錠剤・粉末剤・シロップ)、外皮用薬(軟膏・添付薬)、座薬、点眼薬(目薬)などなど。

   一般的に、”目”薬(臓器+薬)と表現されるところは面白い所です。

  ”胃”薬も同様ですが、直接効かせたい場所に使う薬、その場所の効果的な薬という意味合いで、非常にわか

  りやすい表現法だと感心します。

   この点眼薬の特徴は「液体」という事です。「目薬をさす」と表現されますが、「さす」を漢字で書くと「点す」です。

  「液体を注ぎ入れる」という意味になります。慣用表現には、「水を点す」という表現がありますが、なるほど雰囲

  気は同じです。

   点眼薬が液体であるが故の難しさがあります。 点眼薬は様々な容器(点眼瓶)に入っています。

  メーカー毎に点眼しやすいように瓶に工夫を凝らしているのですが、点眼瓶の形状や堅さ、点眼のキレはそれぞ

  れ異なり、メーカーが違う点眼薬の種類が増えてくると、「この点眼瓶だとうまく点せない」といった問題が生じて

  くることがあります。また、同じ点眼瓶でも点眼薬の中身が変わると点しやすさが変わることがあります。

   目は大きな異物に対しては瞼(まぶた)に、小さな異物に対しては涙に守られています。

  瞼の裏と眼球の表面の間に袋状になっているところ(結膜のうと言います)があり、この結膜のうの中に涙を一定

  量ため込むことが出来ます。涙の量が増え、この一定量を超えると涙があふれ、こぼれ落ちます。

  点眼薬の一滴の量は、結膜のうの中に入る量を”遥かに超えた量”で設計されているので、目薬を点せば基本的

  にあふれるようになっています。

   患者さんの中には、点眼薬を2滴、3滴(または、それ以上)と点される方がおられますが、点眼薬は割と高価な

  お薬(1滴50円ほどする点眼薬もあります)ですから、1回1滴でうまく点せれば(これが難しいのですが・・)一番

  安上がりな使い方となります。